皆さん、こんにちは。心の学校キャンパススタッフの川村力雄です。今日は、私が心から感動した、金優子さんの「父との和解」の体験談をご紹介させていただきます。
このお話しには、本当の自分に出会うとはどういうことか、そして、そこから人生がどれほど大きく変わるのかそのすべてが詰まっています。
金さんにとって、お父さんは「世の中で誰よりも嫌悪していた存在」だったそうです。事件、事故、ケガ、世間とのトラブル…その度に奔走し、疲れ果てていくお母さんを見ながら、金さんは幼い頃からお父さんを「母を苦しめる存在」として、心の底から嫌ってきたといいます。
警察沙汰が絶えず、家の中には怒号が飛び交い、性的な嫌がらせまで受けていた日々。「この父さえいなければ」と思わない日はなかったといいます。
その思いを押し殺し、結婚されたものの、心の奥にあった「憎しみ」は、夫との関係、姑との関係、子どもとの関係にまで影を落としていきました。
カウンセリング、ヒーリング、セラピー、占い、神社仏閣巡り…あらゆる手を尽くしても、心の苦しみも恨みも、決して消えることはなかったそうです。
「変われない自分」に苦しみ、自殺願望すら湧き上がる日々…そんなある日、金さんは「本当の自分」に出会います。
その瞬間、人生が180度変わる体感をされたそうです。「間違っていたのは私だった。父を見下し、バカにしていたのは、私自身だった…」その気づきとともに、これまで抱えていた憎しみは感謝へと一変し、「父に恩を返したい」という思いが、体の奥底から湧き上がってきたのです。
そして訪れた、父との対面。一度も触れたことのなかった父の手に、初めてそっと触れながら、
「父さん、ごめんなさい、ごめんなさい…」嗚咽しながら何度も謝る金さんに、お父さんは顔を背けて黙っていたそうです。
でも、どうしても顔を見て謝りたくて、覗き込んだその瞬間、父の頬に、一筋の涙が流れていたのです。
生まれて初めて見た、お父さんの涙。そして、お父さんの口から出た一言。「お前の気持ちは、わかってた。わかってたんだ」その言葉に全身が震え、心がほどけていったそうです。
「わかっていなかったのは、私の方だった…」金さんは父の手を握りながら、声を上げて泣きました。
帰り際、仏壇に手を合わせたとき、さらなる奇跡が起こりました。祖父母の遺影に向かって「父さんと和解できたよ」と報告したその瞬間、「ありがとう。ありがとう。ありがとう」とはっきりと声が聞こえてきたのです。
さらに「これでようやくS(父)の役割が全うできた。本当にありがとう」という言葉まで。その場に立っていられず、泣き崩れた金さんは、深く気づいたそうです。
「ああ、父さんは、嫌な役割を引き受けてくれていたんだ。そのおかげで、私は本当の自分に出会えた。祖父母も、父に厳しく接していたのは、すべて私を導くためだったんだ」
この日を境に、さらに不思議なことが起こります。あれほど悩んでいた家族の問題が、するすると、まるで自動的に解決していくようになったのです。
すべては、本当の自分に出会うため、そして自分が成長するために現れてくださった「神の姿」だった。
金さんは、そのように語ってくださいました。 「父さん、ごめんなさい。そして、ありがとう」金さんのこの言葉には、すべてが詰まっていると、私は思います。
本当の自分に出会えたからこそ、初めて知ることのできた「感謝」。それは、人生最大の贈り物だったのではないでしょうか。
金優子さんの体験談は、きっと多くの方の心に響くものだと思い、ご紹介させていただきました。
もし、今つらい気持ちを抱えている方がいたら、ぜひ、金さんの体験から希望を感じ取っていただけたら嬉しく思います。
最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。また、素敵なお話しをご紹介いたします。
心の学校キャンパス・スタッフ 川村力雄