宇宙飛行士が涙した「我々という地球意識」

最近、テレビやネットニュースを見ていると、ロシア・ウクライナの戦争はもちろんですが、台湾有事の可能性やイスラエルの軍事行動、そしてインド・パキスタンの衝突の懸念など、世界各地の緊張状態が毎日のように報道されています。

こういった報道もまた心にダメージを与えたり、その不安から実際の経済などにも悪影響が出ることも、充分にあると思います。


世界で起こっていること、社会のこととなると、私たち個人の力ではどうにもならない。つい、そう感じてしまいがちですが、視座を上げることでもっと別の角度から現状を見ることができます。

そのことについて語られた“ある宇宙飛行士のエピソード”が、心の学校創始者 佐藤康行先生の著作『世界から戦争を消し去る方法』に掲載されていますので、ご紹介いたします。

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結論を先に言ってしまうなら、彼らはみな宇宙で、私という個体を一気に取り払われるような体験をしている。

この体験を最もわかりやすく話したのは、アポロ9号の乗組員だった、ラッセル・シュワイカートだった。

彼が月面着陸船のテストを兼ねて宇宙遊泳しているときのことだった。彼の宇宙空間での仕事ぶりを宇宙船の中から撮影するはずだったカメラが、突然故障し動かなくなった。

撮影担当のマックデビット飛行士は、シュワイカートにそのまま何もせず、五分間待つように言い残して、宇宙船の中に消えた。

このシュワイカートに全く予期しなかった静寂が訪れた。それまで秒刻みでこなしていた任務がなくなってしまった。予期しなかった静寂が訪れた。それまで秒刻みでこなしていた任務がなくなってしまったのだ。

地上からの交信も途絶えた。そして真空の宇宙での完全なる静寂。彼はゆっくり辺りを見渡した。眼下には真っ青に輝く美しい宇宙が広がっている。

視界を遮る物は一切なく、無重力のために上下左右の感覚もない。自分はまるで生まれたままの素っ裸で、たったひとりでこの宇宙の中に漂っている。

そんな気がした。

突然、シュワイカートの胸の中に何か言葉では言い表すことのできない熱く激本流のような物が一気に流れ込んできた。

考えたというのではなく、感じたというのでもないその熱い何かが、一気に体の隅々まで満ちあふれたのだった。

彼はヘルメットのガラス球の中で訳もなく大粒の涙を流した。この瞬間、彼の心に眼下に広がる
地球のすべての生命、そして地球そのものへの言いしれぬ程の深い連帯感が生まれた。

今ここにいるのは、私であって私ではなく、すべての生きとしいけるものの我々なんだ。それも今この瞬間に眼下に広がる青い地球に生きるすべての生命。

過去の生きてきたすべての生命。そしてこれから生まれて来るであろうすべての生命を生んだ我々なんだ。

こんな静かだが、熱い確信が彼の心の中に生まれていた。シュワイカートが宇宙空間で体験した、この私という個体意識から、我々という地球意識への脱皮は今この地球に住むすべての人びとに求められている」

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シュワイカート飛行士が宇宙から見た「我々という地球意識」。この視点は、私たち一人ひとりが日常の中でも育むことができるものです。

今、世界各地で起こっている様々な出来事に心を痛めることもあるでしょう。しかし、その時こそ、私たちは一歩引いて、より大きな視座から物ごとを見つめ直すチャンスなのかもしれません。

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最後までお読みくださり、ありがとうございました。

心の学校キャンパス・スタッフ 中里昌克