あなたはすばらしい財産を持っているね

こんにちは。心の学校キャンパス スタッフの久後八重子です。本日は、佐藤康行先生が愛媛県で「限りない可能性にチャレンジ」というテーマで講演をされた時の、佐藤先生とある車イスの青年との感動的なシーンとお手紙をお伝えいたします。

長文となりますが、最後までお読みいただけましたら、この上ない喜びでございます。

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300人ほどの会場満席状況の中、会場正面後部でひとりの車イスの青年が、佐藤先生を見つめ熱心に聞き入っている姿が目に入りました。       

まるで1本の糸が青年の視線から発せられ、佐藤先生の心へ一直線に飛び込んできているようだったと仰っていました。

講演が終わり、ざわめきとともに人々が去っていく中、佐藤先生は一歩一歩、車イスの青年のところへと向かい、「こんにちは、今日はよく来てくれたね』と言われた後、彼の心の奥底にある『完璧』な姿を見ながら、車イスを指さして『あなたは素晴らしい財産を持っているね』青年の返事を待たずに、『あなたのその車イスの姿は財産ですね』と続けて言われました。

青年はまばたきもせず、佐藤先生をじっと見つめていました。『あなたの今の状態こそが『完璧』なんですよ。この会場に300人はいたと思うけれど、あなたのように車いすの人はひとりもいなかったよね。

でも世の中にはあなたと同じ車イスに座っていらっしゃる人がたくさんいます。あなたが今日私の話を聞いて、自分の車イスの姿をそのままを『完璧』と受け入れるならば、今この瞬間からその姿は財産に変わりますよ』

『宇宙に『完璧』でないものなどひとつも存在しません。だからあなたという存在も、そのままで完璧なんです』

『世の中で天才と呼ばれている人は、多くのことをせずに一つのことに集中してきたのです。ホーキング博士を知っていますか。身体が不自由だからこそ、あれだけの大科学者にったのかもしれない』

『あなたもこの状態を逆にチャンスと思って、一つのことに専念してみたらいかがでしょう。徹底的に何かに専念してそのことだけに生涯をかけるのです。

そうすればあなたは『誰にも負けない天才』になれるでしょう。健康な人が絶対に味わうことができない深い人生を味わうことができますよ』

彼は自身がすでに持っている『完璧』に気づいた瞬間から彼の人生は変わり始めました。佐藤先生の言葉を信じ、車イスの体そのままを生かして、絶対に天才になると本気で努力し始めたのです。

以下は、その3年後に佐藤康行先生あてに送られたお手紙です。そのまま掲載させていただきます。

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佐藤康行先生

謹啓

梅雨のうっとうしい今日この頃です。ご無沙汰しております。三年前(当時)、四国愛媛の伊予三島市で先生がご講演くださいましたおり、車イスで参加させていただいたものです。

あの時、佐藤先生は私の車イス姿を見るなり『君は素晴らしい財産を持っているね。こんな財産は誰ももっていないよ』とおっしゃってくれました。

私は目から鱗が落ちました。あの日以来、私は誰ももっていない特別ないいものを持っているんだという気持ちを常に持てるようになり、せっかく気づかせてくださった長所だから何とかして生かさなければ、と考えるようになりました。

そしてもう一つ、佐藤先生はあの日『心がワクワクすることをしなさい』ともおっしゃいました。

私は事故にあった時、大学工学部の学生でした。元々エンジニアの道に進みたいと思い、大学に通っていましたが、不自由な体となり諦めていました。

自分が本当にやりたいと考えていたのは理工系の仕事であります。どうにかしてよい仕事はないものかと探していましたら、勉強会で知り合った方からのご紹介で、設計をするためのコンピューターソフトを開発販売している会社の社長さんと出会うことができました。

図面を描くという作業は現在では、コンピューターがしてくれます。コンピューターの操作は不自由な体でもできるのです。

私はその社長がデモをしてくださるのを見てワクワクしました。『これだ!』と思いました。自分のしたいことと、自分にできることがあったのです。

その社長は『君の目を見ていたら、成功できるということがわかった。全面的にバックアップするからやってみろ』とおっしゃってくださり、仕事をさせてもらえるようになりました。

一つの目標を達成しました。今では少し信用もできたのか、仕事の量も増えてきました。やはり人よりも何倍もの時間がかかるので、土曜日曜も関係なく仕事をしております。

不自由を言い訳にしたくありませんから、人の三倍努力すればなんとか一人前のことはできます。

少しオーバーワーク気味で疲れますが、佐藤先生、どんなにしんどくても楽しくて楽しくてしかたがないのです。

いつも間にか、どんなことでも楽しみに変えてしまうフィルターを身に付けたようです。佐藤先生のお言葉で目から鱗が落ち、それからというものは気味が悪いくらい人生がうまく前進しております。

佐藤先生の一言が私にとってまさしく「成功と幸福を呼ぶ言葉」となりました。本当にありがとうございます。

不快な時候ですが、くれぐれもご健康にはご留意されご活躍ください。益々のご発展を心からお祈り申し上げます。

加藤 誠

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最後に、、、佐藤康行先生はこのように仰っています。私の目から見て彼の姿は車イスのままで『完璧』にしか見えませんでした。

体が不自由で一つのことしか集中できないというのは他の人と比べると不完全かもしれません。しかし「天才になる条件」という観点で考えると、一生涯一つのことを追求できる環境というのは一つの才能なんです。

だから、私は彼に「素晴らしい財産を持っているね」と声をかけたのです。今の状況を障害と捉えるのか、それとも財産として捉えるのかで人生が変わってきます。

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大変長文になりましたが、最後までお読みいただけましたこと、感謝申し上げます。

心の学校キャンパス スタッフ 久後八重子