あの頃の自分への報告

こんにちは、心の学校キャンパス スタッフの木下英治です。今回はA.Sさん(女性)の体験談をご紹介させていただきます。

最後の文章に込められた「今の自分」から「過去の自分」への報告に、言葉にできない感動と涙が込みあげました。

きっと、これを読んでくださったら心が洗われるような、そんな体験談です。

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私は4人兄弟の2番目に生まれ、優秀な兄と比較されて育ちました。自営業の両親は忙しく、私のことは無関心で、幼い頃から“自分なんて生まれてこなければ良かった”、“私はどうでもいい存在”と自己肯定感がなく、劣等感に苛まれて生きてきました。

父はとても厳しい人で、父が私の名前を呼ぶ時は、必ず叱られる時でした。その為、父以外の誰かに名前を呼ばれても、“また叱られる”という恐怖心が瞬間的に出てしまい、自分の名前が大嫌いでした。

そんな私の息子は、やはり劣等感の塊のような子で、学校に行きたがらない息子をなだめては、なんとか登校させるという毎日でした。

せめて学力の自信だけでもつけてあげたいと塾に通わせたものの、「エレベーターに女の子が乗ってきた」と帰宅してしまうほど、女の子は特に苦手でした。

私は息子が心配で寝付けなくなり、不眠症になりました。父が急逝し、翌年には母も倒れ介護が必要となり、母を介護してくれていた兄弟も次々と大病を患い、生活が苦しくなり、借金が増えていきました。

家族3人のケア、息子の心配、増えていく借金と問題は山積みのまま10年の年月がたった頃、今度は自分が倒れて救急車で運ばれました。

すぐに退院はできたものの、まっすぐ歩くことができず、長年勤めた会社も退職せざるをえなくなりました。

退院してからは毎日、10錠以上の薬を飲んで、家の中で過ごすのがやっとという生活が4年ほど続きました。

そんな薬漬けの私を親友が心配してくれ、長年の胃腸の病気がYSメソッドで治ったと(当時、日本橋に開設していた)YSこころのクリニックを紹介してくれました。

親友とは小学生の頃からの何十年もの付き合いで、彼女は子どもの頃から胃腸がとても弱く、どんなに暑い日も冷たい物は絶対に口にせず、いつも熱いお茶の入った水筒を持ち歩いていました。

お茶しか飲まない彼女のことを、口の悪い友人達が「おばあちゃんみたい」と良くからかっていました。

その彼女が何十年間も苦しんでいた食事制限がなくなったと、美味しそうにアイスを食べている姿に驚愕。

親友の変化に腰を抜かすほど驚いた私は、すぐにYSこころのクリニックを受診しました。クリニックでカリキュラムを受けていくと、足の痛みに耐えて松葉杖をつきながら、休むことなく仕事をしてくれていた父の姿が浮かんできました。

父は15才で上京して過酷な労働に耐え、20代で独立し、57才という若さで亡くなりました。

家族、社員、家庭と会社を守る為、どれ程の苦労を父がしてくれていたのか、松葉杖の父の姿を思い出して、クリニックの机が涙一面となりました。

そして父が大きなどなり声をあげても、一度も、一言も言い返すことなく、毎日、家族の為に夕飯を作ってくれていた台所の母の姿が浮かんできました。

十月十日、お腹の中で大切に育ててくれ、出産の痛みに耐え、私をこの世に誕生させてくれた、どんな時も家族を守り、父を支え続けた母。

“自分なんて生まれてこなければ良かった”、“私はどうでもいい存在”なんかではなく、父と母に命をかけて生んで育ててもらった唯一無二の尊い存在であったということに気が付くことができました。

そして、父は私の幸せを願って、名前をつけてくれていたことにも・・YSメソッドを受けた私の体調は半年で回復し、まっすぐ歩くことができるようになりました。

そして薬も一切飲まなくなり、4年半ぶりに社会復帰すると、家族の病気も回復して、気が付くと借金もなくなり、抱えていたすべての問題が消えていきました。

息子は大学に進み、国家資格を取得。第一希望の会社に就職して、社会の一員として一歩を歩みだしました。

大学時代から付き合っている彼女とは結婚を前提にお付き合いをしているようで、女の子が苦手で塾から帰ってきた日のことは今では懐かしい思い出です。

もし、暗い押し入れの中で、“消えていなくなりたい”と涙を流していたあの頃の自分に会えたら、「頑張って生きてくれてありがとう。自分の名前が大好きになったよ。」と報告してあげたいです。

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以上、A.Sさんの体験談でした。傷ついた子ども心が癒されずに残っていると人間関係・自己肯定感・人生の選択などに一生影響を与え続けます。

でも、A.Sさんはお父さん、そしてお母さんのそれまで生きてきて一度も見れていなかった本当の愛に気づいて、すべてを洗い流すような、もっとも美しい涙を机一面に流されたのでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

心の学校キャンパス・スタッフ 木下英治