皆さん、こんにちは。心の学校キャンパス・スタッフの小原尚美です。
事業の継承というのは、継承する側も、継承される側もどちらも、それぞれの悩みを抱えているといいます。
YSメソッドに出会ったことで、最も大事なことに気づき、見事に継承をされた、Hさんの体験談をご紹介させていただきます。
———————————
Hさんは、畳職人の父を持つ方です。畳は日本の伝統文化で、素晴らしいものです。
しかしながら、現代の住宅には畳の間がなくなっているというほど、畳の需要は減ってきています。その家業をHさんは継ぐことになりました。
お父さんの時代は売れていた畳も、Hさんの代ではあまり芳しくありません。Hさんは悩みました。
「こんな家業を残されて一体どうするんだ」とそれまでHさんは、お父さんとは違う生き方を求め、お父さんを越えようと色々な無茶をし、失敗も重ねて来たのです。
借金も膨大にあり、一体どうしたらいいのだと、どうしようもなくなった未に、藁をもすがる思いで私のもとを訪れました。
そこで、「自分自身を掘っていく」という作業をした結果、本当の自分に目覚めて、お父さんが何を残してくれたのかが、はっきりと分かったのです。
それからHさんは、お得意様を回り、お得意様が何を求めているのかということを聞いて回りました。
そうすると、お得意様は、「ここをこうしてほしい」「ああしてほしい」「こういうものがあったらいい」ということを教えてくれたのです。
一見、畳と関係のない要求もありますが、Hさんはお客様の声に応えることをやり始めたのです。
それを続けていった結果どうなったかというと、膨大にあった借金を返済することができ、売り上げはとてつもなく上昇をすることになりました。
Hさんは、今、こう言います。「あんなに反発していた自分でしたが、父と自分は一つの存在であるということが分かりました」
「父から本当に大事な魂というものを受け継いでいたのに、自分はそれに気づかないで、大変申し訳ないことをしていました」「今は心から父に感謝しています」と。
形を維持させるのではなく、つないできた心、魂を引き継いでもらうのです。すると、そこから出てくる発想は無限になります。
時代に沿った、新しい商品が生まれ、社内にも若い世代の息吹が入ってくるかもしれません。
船の上に載っているものではなくて、船そのものである魂を後継者に渡すことができたら、この先、延々と時代を超えて、あなたが受け継がれていくことになるのです。
———————————
会社や事業を継承するだけでなく、私たち一人ひとりが最も価値ある魂を受け継いでいるんだというとても大切なことを気付かせていただきました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
心の学校キャンパス事務局