最悪と思えた出来事が…

皆様 こんにちは。心の学校キャンパススタッフの加藤です。

前回のメルマガで私は一人で外出する事が、困難だった事をお伝えしました。

しかし今では、そんな私も飛行機に乗り、海外に住む娘に会いに行ったりする事ができるようになりました。

私が一人で公共の乗り物に乗れるようになったのは、長女が小学校六年生の時です。

長女の受けた私立の中学受験の合格手続きに、その日に行かなければ長女の合格が不合格となってしまう…そんな大切な日でした。

しかし、その朝、次女が高熱を出してしまい、私の頭の中はもうパニック寸前でした。

なぜなら、今日合格手続きに行かなければ、長女の合格が不合格になってしまうからです。

今まで頑張ってきた長女の努力を、私が電車に乗れないという事だけで、絶対に無駄にする事はできない。

次女が高熱を出すのは私の中では想定外でした。

なぜなら、私は母に付き添ってもらい、長女の合格手続きに行くと、決めていたからです。

ただ、まだ小学校三年生の高熱を出している次女を一人にするわけにもいかず、私はとても怖く恐ろしかったのですが、次女を母に頼み私は一人でバスと電車を乗り継ぎ、長女の入学予定の中学校へ向かいました。

目的地まではバスと電車で40分程ですが、その時の私にとっては何分とも考えられる余裕もなく電車に乗る事、手続きを無事終える事がまるで、恐ろしい試練のようなそんな気持ちでした。

他の方からすれば、嬉しい入学手続きが私にとっては試練とも言えるような事でした。

家を出るときから心臓がバクバクしていました。

バスに乗り電車に乗り、心臓の鼓動は大きくなるばかり…

気分が悪くなるのではと思うほどでした。気を紛らわすために外からの音を遮断し、ボリュームを上げ音楽を聴きながら目をつむりドアの近くに立っていました。

ソワソワして落ち着きません。

このままどうにかなるのではないか、次の駅で降りてしまおうか、などと思いながら乗っていた時、ふっと、私の中で「何か起きたら起きたでいい」「なるようにしかならない」と思えた瞬間がありました。

その瞬間から、ふっ〜と私の中から何かが出て行ったような感覚になり、不思議と今まであれだけ心臓がバクバクしていたのも少し落ち着き、心も落ち着いてきていました。

なんとか目的地に行き、合格手続きを終え、長女の入学許可書をいただくことができました。

そこからの私の足取りは先ほどとはまるで違い、とても軽く自然と笑顔になっていました。

あんなに怖かった行きの真っ暗闇の電車の中が、帰りの車内はとても明るかったのを覚えています。

行きも帰りも車内は同じ明るさのはずです。違ったのは私の心が変わっていたからだと思います。

怖くて怖くて仕方なかった、行きの車内は暗闇のトンネルのようでしたが、帰りの私の心は晴れ晴れとしていたので車内も明るく、まるで楽しい空間のようにさえ思えました。

この時の出来事は今では本当に良かったと思えます。

その日の私にとっては最悪と思っていましたが。

長女の合格手続きの日に次女が高熱を出した事、私はもしも次女がこの日発熱しなければ、きっといつものように母を当たり前のように頼り、母に一緒に付いて来てもらい合格手続きに行っていたでしょう。

一人で行くことはなかったと思います。この日の出来事が私の大きな一歩でした。

私の自信につながりました。それから少しずつ少しずつ、前進することができるようになりました。

その日の私は次女に対して、どうしてこんな日に熱なんか出すのか…と苛立ちさえ覚えました。

自分の事しか考えられなくなっていた私です。

しかし次女は熱を出すことで、私の背中を押してくれたんだと今では思えます。

娘達からの愛だったんだと思えます。長女の合格手続き、次女の発熱、私は娘達から背中を押してもらい、一歩踏み出す勇気を持てました。

親子の関係はいろいろな形があると思いますが、私は娘達から学ばせてもらっています。

娘たちが本当の自分に出会うチャンスを作ってくれたと思っています。

最悪だと思えた出来事が最高の愛で包まれた出来事でした。

最後までお読みいただきありがとうございました。

心の学校キャンパス事務局