初めて「母ちゃん」と呼べた日

心の学校キャンパス スタッフの川村力雄です。今回もお越しくださり、ありがとうございます。

私たちは時に、「変わりたい」「何かをつかみたい」そう願いながらも、自分の内側に深く触れられず、ただ、もがく日々を送ることがあります。

今回は、そんな“もがき”の中から「本当の自分」に目覚め、心の深い癒しを体験されたSSさんの体験談をご紹介させていただきます。

Sさんが、講師になるためのセミナーに参加された時のことです。そのセミナーは、「本当の自分」を引き出すことを中心とした、講師役・受講生役の両方を体験する実践的な内容でした。

受講生役として臨んだ時、講師役の方から、こんな問いかけがありました。「その親らしい方に、何て言いたいですか?」すると、思いもよらない言葉が自然と口をついて出てきたと言います。

「父ちゃん、ありがとう」「母ちゃん、ありがとう」「父ちゃん、母ちゃん、愛してくれてありがとう」「私を産んでくれてありがとう」その瞬間、Sさんの目から涙があふれました。

これまで、何をしても涙が出なかった彼女にとって、明らかに何かが変わった瞬間でした。「親」という存在を、頭では理解していたつもりだった。

でも、本当の意味では理解していなかった。それに気づかされたのです。Sさんはこう語ってくれました。「お母さんに『私の子じゃない』と言われ、『母ちゃんと呼ぶな』と突き放され、幼い私は深く落ち込みました」

その後は、一緒にご飯を食べることもなく、否定され、命令されるがままに生きてきました。

ご両親は絶えず喧嘩をしていて、その怒鳴り声が怖くて怯えて、彼女は家の中で会話をすることさえ出来なくなっていました。

ですから、「本当の自分」に出会うまで、「私の子じゃない」と言われた言葉を本当のこととして受け止めていたのです。

それでも、「母ちゃん、ありがとう」と言えた自分がいた。そのときSさんは感じたといいます。

「『本当の自分』は無限だ」翌朝2時に目が覚め、眠れなかったというSさん。嬉しくて、嬉しくて、佐藤康行先生のお話を、どうしても聞きたくなったと語ってくれました。

動画を見返すのが楽しみで、「今日は何を見ようか」と考えることが、喜びだそうです。また、これまで「人が怖い」と感じていた彼女が、「本当の自分」を広めるチラシ配りにも、自ら進んで取り組めるようになりました。

「だめな自分が、できるようになった」と話してくれました。街を行き交う人々が、みんな、いい人に見える。「ありがたい、ありがたい」と、出会う人すべてに感謝が湧いてくる。

そして今、彼女はこう感じています。かつては自信が持てなかった私。でも今では、出会ってきたすべての人が「私の大切な仲間だった」と思えるようになり、心から「幸せだ」と感じられます。

「本当に、生まれてきてよかった」「つらいことが、これでよかったと思えるようになった」「頑張って、我慢してよかった。みんな私の協力者だった」「父ちゃん、母ちゃん、ご先祖様、私、ありがとうございます」

その言葉には、人生の深い痛みを越えた先にある、確かな光と愛が込められていました。この体験談から、私たちが学べること。

それは、どんなに心が閉ざされていても、「本当の自分」はすべてを包み、癒してくれる存在であること。

心の奥底にある、真実の声に触れたとき、人は本当に変わることができるということ。Sさんの体験がそれを教えてくれます。

いかがでしたか?どうか、「いいお話だった」で終わらせないでください。この話しが、あなた自身の変化への第一歩となりますように。またお会いできることを、楽しみにしています。

心の学校キャンパス・スタッフ 川村力雄